なぜ42.195kmを超える距離に挑戦する人々がいるのか。
ウルトラマラソン、その魅力に迫る。
何事にも変え難い達成感
挑戦したランナーだけが味わえる感動と興奮
フルマラソンの先には、フルマラソン以上の疲労感があり、その苦しさを乗り越えた先にはフルマラソンで味わう何倍もの達成感がある。
ウルトラランナーが疲労困憊になりながらも楽しんでいるように見えるのは、苦しさの分だけ乗り越えたときの感動が大きいということを知っているからだ。
同じ志を持つ仲間との出会い
フルやハーフにはないランナー同志の交流
「すごいコースですね。何回目ですか?」隣を走るランナーに声をかける。
ウルトラの道のりは遠く、長い。コースや給水所で幾度も出会う見知らぬ顔も、ゴールする頃には「仲間」になっていることはウルトラの世界では珍しいことではない。
「来年もここで会いましょう!」お互いに励まし称え合いながら走り切った「同志」との再会を誓いゴール会場を後にしていく。
開催地域の風土を満喫
その土地土地を走り抜ける様は旅そのもの
ウルトラランナーは観光客が足を踏み入れることがない場所まで、自らの足で行く。
「よくぞここまで来てくださった」人里離れたコースの村では一年に一度の再会を心待ちにする村人たちもいる。
山もあれば谷もあり、階段もある。心身にフルマラソン以上の距離感という価値観を身につけたウルトラランナーにこそできる道の楽しみ方である。ウルトラはまさに旅なのである。
食を楽しむ
エイドでは地域の恵みが振る舞われる
うどん。そば。餅。豚汁。饅頭。果実。走りながら食べるのがウルトラマラソンの世界。
食べないと走ることができない。コースで何を食べるかが最大の楽しみでもある。
開催地域の郷土料理や銘菓を楽しめるのはもちろんだが、食べ物がとにかく疲労した身体に染みるのを感じる。人は食べ物で生きているのだな。という地球の恵を感じることができるのもウルトラマラソンの醍醐味の一つだ。
マイペースで完走を目指す
求められるのは「前向きな精神力」
ウルトラなんて無理。そういうランナーは多い。
本当に無理なことだろうか?
ウルトラマラソンを完走するために必要な体力は?
平均で1kmを8分台で13時間以上走り続ける力?
完走するランナーの8割は13時間〜15時間のランナー、そのほとんどは途中で歩いたり、休憩したりもする。必要なのは13時間走り、時には歩き、そして食べ続けながら前に進める体力と、疲労やアクシデントを楽しみながら諦めず進む前向きな精神力なのだ。
物語の主人公はあなた
挑戦する人の数だけドラマが生まれる
ウルトラのスタートラインに立つと、みんな自分よりも速そうに見えてくる。この人は月間何キロ走ってきたのか?調子が良さそうだな。など。色々なことが気になるもの。
しかし走り出し、フルマラソンの距離を超えレース中盤にもなれば、そんなことを考える自分はいなくなっている。どうしたら前に進むことができるか?ゴールするためには?そちらの方が大切なことになっている。自分には自分の走り方がある。ウルトラの道のりは、「物語の主人公はあなた」であることを気づかせてくれる。


